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ボリンジャーバンドの見方:バンド幅・スクイーズ・%B

ボリンジャーバンドは20本の平均に標準偏差を足し引きした帯です。バンド幅・スクイーズ・%Bと、バンドの外で引けた後の実測結果を見ます。

📚 チャート分析をはじめから正しく · 13/52· ⏱ 読了目安 5分 ·情報更新 2026-10-07
📋 基本情報5
計算
中心線はSMA20、上・下バンド = 中心線 ± 2 × 標準偏差(母集団)
%B
%B = (終値 − 下バンド) ÷ (上バンド − 下バンド)
実測
上バンドの外で引けた後、20本後の上昇割合55.1%、基準50.4%
注意
上バンドの外で引けても、すぐ下落に転じたわけではなかった
リアルタイム
進行中の足のバンドと%Bは、引けるまで変わり続ける

バンドを作る式

ボリンジャーバンドは、真ん中の線と上下2本の線でできています。中心線は終値の20本SMAで、上バンドは中心線 + 2 × 標準偏差、下バンドは中心線 − 2 × 標準偏差です。標準偏差は、同じ20個の終値が平均からどれだけ散らばっているかを測った値で、偏差の2乗の平均の平方根をとって求めます。このとき20で割る母集団標準偏差を使い、TradingViewの標準のボリンジャーバンドと同じ計算になります。19で割る標本標準偏差を使うと、バンドは約2.6%広くなります。価格が大きく揺れるとバンドは広がり、落ち着くと狭まります。見落としやすいのは、バンドの幅が向きではなく散らばりだけを反映するという点です。20本ずっと一方向に着実に上がった場合でも、終値が平均から遠く散らばっているのでバンドは広がります。また20本前の大きな足が計算の範囲から抜ける日には、価格がほとんど動いていなくてもバンドが急に狭まることがあります。チャートによってバンドの値が少しずつ違うなら、期間・倍率・標準偏差の計算方法、そして終値の代わりに別の価格を入れていないかをまずそろえるのが順序です。

「95%がバンドの中」という話

価格の95%がバンドの中に収まるという説明は、価格が平均のまわりに正規分布していると仮定したときの話です。正規分布なら、平均 ± 2標準偏差の外にある確率は約4.6%です。しかし価格はトレンドに沿って一方に偏り、暗号資産のリターンには、正規分布が想定するより極端な動きが頻繁に現れます(裾が厚いといいます)。この講座が測ったバイナンスの10銘柄の日足29,946本のうち、終値が上バンドの外にあった足は2,353本、下バンドの外は1,516本で、合わせて約13%でした。正規分布の仮定が示す頻度よりずっと多いわけです。こうなる理由は参加者の行動にあります。ニュースや大量の清算が出ると同じ向きの注文が一度に集まり、その動きが次の足の注文をまた呼び込みます。価格の変化が互いに独立していないので、平均から大きく外れた終値が続けて出ます。そのため、バンドの外で引けたことを「めったにないことが起きたので、すぐ戻る」と読むのは、出発点から外れている可能性があります。バンドの外は直近20本に比べて大きく動いたという記録であって、統計的に起こりにくい出来事の証拠ではありません。

%Bとバンド幅

%Bは、終値がバンドの中のどのあたりにあるかを表します。%B = (終値 − 下バンド) ÷ (上バンド − 下バンド) なので、1なら上バンド、0.5なら中心線、0なら下バンドにあるという意味です。バンド幅は (上バンド − 下バンド) ÷ 中心線 で、標準偏差を価格に対する比率に直したものなので、価格帯の違う銘柄どうしでも比べられます。ボリンジャースクイーズ・スキャナーは、この2つの値とあわせて、いまのバンド幅が直近120本の中でどの位置にあるかを表示します。2つの値は片方だけ見ると半分の情報です。同じ%B 1.1でも、バンド幅がとても狭いときは小さな動きだけで出ますし、広いときは大きな動きがないと出ません。そのため、まずバンド幅が自分の過去と比べて狭いか広いかを見て、次に%Bで位置を見る順序が自然です。バンド幅の絶対的な数字は、銘柄ごと、足の長さごとにふだんの水準が違うので、別のチャートの基準をそのまま持ち込むと合いません。%Bは終値で計算するので、ヒゲがバンドの外に出ても終値が内側で引けていれば1を超えません。

  • %B > 1:終値が上バンドの外
  • %B = 0.5:終値が中心線
  • %B < 0:終値が下バンドの外
  • バンド幅 = 4 × 標準偏差 ÷ 中心線(倍率2のとき)

スクイーズ:バンドが狭まった状態

バンド幅が自分の過去と比べてとても狭まった状態を、スクイーズと呼びます。ジョン・ボリンジャーはバンド幅が直近数か月の中で最も狭まったときを指し、TTMスクイーズと呼ばれる方法は、ボリンジャーバンドがケルトナーチャネルの内側に入った状態を基準にします。このサイトのスクイーズ・スキャナーは、ケルトナーチャネルを EMA20 ± 1.5 × ATR(20) としています。ボラティリティは一つの水準に長くとどまらず、ふだんの水準のほうへ戻る傾向があるため、とても狭まったバンドはいずれまた広がることがよくあります。しかしスクイーズは、いつ、どちらの向きに動くかを教えてくれず、最初に抜けた向きに進んでから反対に折れることもあります(レンジ相場の記事)。バンドが狭まっている間、市場では買い手と売り手が似た価格でにらみ合い、大きな発表を前に様子見をする参加者が多くて取引が減っていることがよくあります。その均衡が崩れるきっかけが来ると、たまっていた注文と損切りが一方に流れ込み、図のようにバンドが急速に開きます。確認の順序は、バンド幅が自分の過去の中で低い側か、範囲を抜けた足が確定した足か、その足の出来高がふだんより増えたかです。

スクイーズ 3.0%22.9%バンド幅(%)上バンド中心線下バンド
例: 架空の価格にボリンジャーバンド(20, 2)を計算して描きました。下の段のバンド幅が3.0%まで縮んだ後、価格が範囲を抜けると22.9%まで広がります。

バンドウォーク:強いトレンドの姿

強い上昇トレンドでは、終値が上バンドに張り付いたり、外側で引けたりすることが何度も続きます。これをバンドウォークといいます。バンドは同じ価格から計算するので、価格が上がれば中心線と上バンドもつられて上がり、下の図では%Bがずっと0.7より上にとどまっています。このとき上バンドに触れたことを反落の合図と読むと、トレンドの間ずっと外れ続けることになります。下降トレンドでは逆に、下バンドに沿って下がっていく姿が表れます。バンドウォークが続いている間は、休む足が出ても中心線の近くで再び買う注文が入り、押しが浅く終わることが多くあります。そのため、トレンドが続いているかを見るときは上バンドより中心線を基準にする人が多くいます。終値が中心線の上を保ち、%Bが0.5より下にあまり下がらなければ同じ流れとみなし、終値が中心線の下で引けてバンド幅が頂点から縮み始めたら流れが弱まった兆しと読む、というやり方です。ただしこれもトレンドが終わったという確定ではなく、中心線を一時的に下回ってから再びバンドウォークする場合もあります。

上バンド中心線下バンド
例: 架空の上昇トレンドにボリンジャーバンド(20, 2)を計算して描きました。終値が上バンド付近や外側で繰り返し引けながら、バンド全体が一緒に上がっていきます。

実測:バンドの外で引けた後

バイナンスの10銘柄の日足(各銘柄のバイナンス上場日から2026年9月まで)で、終値が上バンドの外にあった足の後、20本後の終値のほうが高かった割合は55.1%で、すべての足で測った基準50.4%より高く、中央値も+2.35%(基準+0.15%)でした。上バンドの外が、そのまま反落を意味したわけではなかったのです。下バンドの外で引けた後は、1本後・5本後の上昇割合が基準より高かったものの、20本後には基準と同じでした。バンドの外で引ける足は続けて出ることが多く、標本が互いに独立していない点も考慮する必要があります。この結果は確定した日足の終値で測ったもので、ヒゲだけがバンドを越えた足は含まれていません。また日足で測った結果なので、1時間足や15分足でも同じになると考える根拠はなく、株式やほかの銘柄にそのまま当てはめることもできません。上バンドの外で引けた後の数字は、「バンドの外は過熱なのですぐ折れる」というよくある解釈と逆向きだという点で意味があります。だからといって、上バンドの外で引けたことを上昇の合図に読み替えるのも、この数字が許す範囲を超えています。

  • 基準(すべての足):1本後50.6%、5本後50.5%、20本後50.4%
  • 上バンドの外(2,353回):50.4%、52.0%、55.1%
  • 下バンドの外(1,516回):57.6%、56.8%、50.4%
  • BTC日足の20本後:上の外59.8%、下の外45.1%、基準53.7%

限界とよくある誤解

ボリンジャーバンドは終値20個の平均と散らばり具合を描いたもので、価格が行ける限界線ではありません。上バンドに触れたというのは、直近20本に比べて高いところにあるという要約にすぎず、スクイーズは変動が大きくなりうることを言うだけで、向きは言いません。期間と倍率を変えると、バンドの外で引ける頻度も変わります。暗号資産バックテスターのボリンジャー反発戦略で、過去の成績を手数料と一緒に確かめることはできますが、ある期間の結果が別の期間でも同じになるという保証はありません。よくある勘違いの一つは、バンドを支持線・抵抗線のように扱うことです。支持・抵抗は参加者が実際に注文を積んだ価格帯で生まれますが、バンドは足ごとに計算し直される動く統計の線で、その位置に注文が集まっている根拠はありません。もう一つは、バンド幅が狭いからもうすぐ大きな上昇が来ると期待することで、狭いバンドは下落側にも同じように抜けえます。ボリンジャーバンドは、いまの動きが最近に比べて大きいか小さいかを教えてくれる物差しであり、向きの判断はトレンド・支持抵抗・出来高といった別の根拠と合わせて行う必要があります。

暗号資産と株式で違って見える点

暗号資産は24時間休まず取引されるので、日足の終値は取引所が決めた時刻(バイナンスは協定世界時0時)で区切った値にすぎず、足と足の間にすき間がほとんどありません。株式は通常の取引時間が終わると、翌日の始値が前日の終値から離れて始まるギャップ(窓)がよく生じます。サムスン電子やSKハイニックスが決算発表や、夜の間の米国半導体指数の大きな動きの後に窓を開けて始まると、その1日のせいで標準偏差が大きくなり、バンドが階段のように広がります。20本の意味も違います。株式の日足20本は営業日でおよそ1か月で、暗号資産の日足20本は暦の上で20日です。米国の大型ハイテク株は決算発表の前後でスクイーズと拡大を繰り返すことが多く、発表日程が決まっているのでバンドが狭まった理由を推し量りやすいほうです。韓国株には1日の値幅制限(±30%)があり、ストップ高・ストップ安に張り付いた日は終値が制限値に固定されるので、%Bが極端な値を示しても実際の需要をすべては表しません。おおむね暗号資産のバンド幅は大型株より広いので、一つの市場で身につけた「狭い」の感覚をほかの市場にそのまま使わず、それぞれの過去と比べる必要があります。

実践の点検順序

リアルタイムのチャートでボリンジャーバンドを見るとき、最初に区別すべきなのは、いまの足がまだ進行中だという事実です。進行中の足の終値は現在値なので、価格が動いている間は中心線・上下のバンド・%B・バンド幅がそろって変わり続けます。取引中に上バンドを突き抜けたように見えた足が、引けるときにはバンドの内側に戻ってヒゲだけを残すことはよくあり、その場合その足はバンドの外で引けた足ではありません。過去の足のバンドは固定されていますが、最後の足のバンドだけは呼吸するように動くと覚えておけば、「さっき出た合図が消えた」という混乱が減ります。この講座の実測もすべて確定した足の終値で測ったものです。特に足が引ける直前の数分間に価格が大きく動くと最後の足のバンドと%Bが大きく変わるので、次の足が始まった後に確定した値で見直す習慣が役に立ちます。以下は画面を見るときの確認の順序です。

  • 足の長さと設定(20、2、終値)が意図したとおりか確かめる
  • バンド幅がその銘柄の最近の過去と比べて狭いか広いかから見る
  • %Bで終値の位置を見るが、進行中の足の値は確定ではないことを念頭に置く
  • バンドの外の判断は確定した足の終値で行い、ヒゲだけ出た足と区別する
  • スクイーズが抜けるときは、その足の出来高と窓の有無を一緒に見る
  • 中心線を保っているかでバンドウォークが続いているかを確かめる
  • 同じ場面を上位の足でも開き、流れが合っているかを見る

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